続・数学は理解するものではない:素因数分解と約数の数(2)
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数学というのは、いきなりまず、訳の分からない概念が出てきて、そして四則演算に進む。
なぜそう言う概念が必要なのか、そう言った説明や背景など、ほとんど説明されない。
数学マニアなら、この後何か面白いことがあるな...
と思ってわくわくするのかも知れないが、一般の学生・生徒にとっては、なにをやっているのかよくわからないことを
延々やらされるということになる。
数学を理解しようとする子供は、だからここで挫折する。
この段階というのは、料理で言えば<下ごしらえ>の段階だが、何ができるかよく分からないわけだから、不安に思うのは当たり前だ。
カレーライスを作ります、というのであれば、下ごしらえするのに悩む必要はあまりない。
ところが、何を作るのか分からないのに、何かの下ごしらえをするようなものだから、理解できる方がおかしいわけだ。
素因数分解と約数の数
たとえば中学3年生で習う素因数分解も、訳が分からない作業だろう。
素因数分解というのは、整数を素数の掛け算の形に変形することだ。
素数というのは、簡単に言うと、約数が2コしかない数のことだが、これ以上分解できない、と言うところが重要だ。
というのは、整数を素因数分解すると、一通りにしか分解できないから。
この一通りにしか分解できない、というところが重要だ。
数学では、「一意性」(いちいせい)を求められる事が多いが、こういう風に一通りにしか表現できない形にすれば、それさえ調べればいいと言うことになるわけだ。
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たとえば、ある整数の約数を調べたいようなときが、あったとする。
たこ焼きとかホットケーキの機械を設計しよう。
材料はキログラム単位で、1キロの粉で2500コ作ることができるとする。
工場のラインの幅は××メートルで、加熱装置や冷却装置の関係で、××メートル幅にこの2500コを
長方形の形に並べないといけない。
では、2500コを何コ×何コにすればよいか。
こういう場合、約数をすべて調べることになる。
調べて、どの組み合わせを使えばよいか
計算したり実験することになる。
このとき、約数をすべて見つける必要があるが、素因数分解を利用すれば、それができる。
2500を素因数分解すると、2^2 × 5^4 となるので、約数の数は、3 × 5 = 15コ だ。
樹形図を書けば、この15コ全部見つけることができるが、こういう風に約数の個数が分かるのも、素因数分解という作業があるからだ。
整数は一通りにしか素因数分解できないので、分解したモノを調べればOK、というのが
大事なところ。
一意的に表せると言うことは、それだけ調べればいいということで、それ以外は調べなくても良い。
この辺の感覚は、かなりドライな考えで、中学生にはなかなか分からないかも知れないね。