算数・数学を勉強する理由
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毎年のことだけれど、算数や数学の勉強に疑問を持つ子供がいる。
できる人には少なく、たいていは算数や数学ができない子供だ。
こういう子供は、決まってこういう。
「こんなん、社会に出て役にたたへんやん」
そりゃそうだ。
ものを作ったり設計したり、解析したりというような、数学を利用する分野の仕事に就かない限り、算数や数学というのは、滅多に使うものではない。
で、こういうとき、「算数や数学は使えるよ」とか「数学ができると、良い大学に行けて良い仕事に就けるよ」とか言ってもダメだ。
というのも、子供にとっては全然実感の伴わない言葉だから、納得しない。
コンピューターのプログラマーですら、別に数学の知識を必要としてるわけではないから、実際のところ、あまり意味がない。
だからこういう説明は、しないことにしている。
理系や社会科学には数学は必須
実際、数学なんて、なかなか直接利用するようなものではない。
だがイメージとしては、ものすごく役には立つ。
たとえば社会の変動などを考えるとき、私の頭の中では三角関数やら、自然対数のグラフが思い浮かぶ。
ただそれが、それが数学の利用と言って良いのかどうか。
微積分も関数の変動を捉えたものだから、イメージとしては使えるが、そのために数学を学ぶというのは、どこまで必要か。
統計分析も、カイ自乗計算や、回帰分析などと言った方法で計算して危険率を求めて、どれくらい意味があるか、考える。
あるいは正規分布や分散で計算して捉えて理解すると有益だと思う。
だがこれだって変な話、そんなにややこしい数学を使っている訳じゃない。
だからまあ、数学そのものの利用価値や利用頻度から考えると、すべての国民にこんなものをものすごい時間をかけて学ばせる必要は、無いかも知れない。
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※楽天ブックス広告リンク数学学習の意義は、仕事ができる人間を作ること
だがしかし、数学教育は必要だと私は考えている。
理由は簡単で、数学というのは、手順を覚えて、手順通り実行しないと、正答にたどり着けないものだからである。
手順を覚え、その通りやる。その結果、正答にたどり着く。これは、仕事をする上で、非常に大事なことである。
社会に出たら、これができないとどうしようもない。
たとえばお店で働くとしよう。
お客さんが来たら、「いらっしゃいませ」と挨拶する。その次に「何かお探しでしょうか?」と尋ねる。
お医者さんならまず「どうしましたか?」と言う。
その次は、問診して状況をきいたり、聴診器を当てたり、体温を測ったり、血圧を測ったり。
そのあといろいろあるわけだが、こういうのが手順である。
手順というのは、その職業や仕事において、その時点で一番リスクやコストの少ないやり方であって、省エネなのである。
これを覚えてやれば、一応遠回りせず、ちゃんとした仕事になるものだ。
マニュアル通り、完璧にこなせてからが勝負!
一時期、マニュアル人間とかいって、融通の利かない人間のことを馬鹿にする風潮があったが、今はマニュアル通りできる人間すら、貴重な時代なのだ。
マニュアル人間だって、結局マニュアル通りにうまくできないから、その上にある応用が利かないって事な訳だし。
だから社会に出て働く人間は、手順を覚えてその通り正確にできることが、求められる。
それをトレーニングできる科目が、学校教育に置いては、算数や数学なのだ。
だから、算数や数学は、それ自体では社会に出て役に立たないかも知れないけれど、これを勉強することは、社会で生きるために非常に重要なことである。
東大合格漫画・ドラゴン桜の作者も、個性を求めるより、まず型にはまることの利点を主張しているが、個性信仰は、社会で働く上で大きな障害で、本当に迷惑なんだ。