オリジナル教材の塾は良い?
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オリジナル教材を売りにしている塾がある。
四谷大塚とか、サピックス、日能研などは、オリジナル教材を使う塾だ。
出口汪(でぐち・ひろし)さんの「論理システム」とか、宮本算数教室の算数パズルとかも、そうだね。
だから、オリジナル教材を使っている塾というと、なんとなく「良い塾」といったイメージがある。
しかし、これはある意味正しく、ある意味、間違ったイメージだ。
塾がオリジナル教材を作る大きな原因は、「既存の教材では、目的が達成されない」
というところにある。
すでにある教材を使っても、目標を達成できるなら、わざわざ独自教材を編集する必要はないわけだから。
独自教材を作るというのは、かなり面倒な作業で、時間もかかる。
私も英文解釈の教材を作っているが、毎週少しずつ作っても2年くらいかかった。
数学の教材は、ラテフ(Latex)という言語を使って作るのだが、これもグラフなどを作るのは、かなり面倒な作業で
すぐに挫折した。
そのうえ、国語などは著作権の問題があって、芸術家系の協会ともめたりなどもする。
独自教材・オリジナル教材を作るというのは、そういう風に、えらく大変な話なのだ。
だからオリジナル教材作りに力を入れている塾というのは、ある意味では、「教育熱心な良い塾」ということになる。
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※楽天ブックス広告リンクところが、オリジナル教材というのは、出来不出来の差がかなり激しいんだね。
塾用教材のカタログを見ると、毎年どこかの塾のオリジナル教材を、教材化して販売していたりするのだが、試しに取り寄せてみると「なんじゃこりゃ」と言うのが多い。
たとえば、同じ数を10回足すというような教材があった。
中身を見ると、たとえば123という数を、10回計算するだけ。
10回足せば、最初の数の10倍の数になるはずだから、答え合わせが簡単だってことだろう。
数字を工夫すれば、うまく全通りの計算ができるのだろうが、結局全部足し算だから、解法の切り替え練習はできない。
これならまだ、百マス計算の方がいい。
タマの計算練習に使うのはおもしろいが、効果も疑問だし、通年で使うような教材ではなかった。
アイデアはよいが、問題は
それで多くの子供に効果が出るのか?
ということだ。
私など、四谷大塚の算数の一行問題集でも、効果は怪しいと思っている口だから、費用対効果を考えていない教材は、良くないと考えている。
たとえば同じ30分の勉強時間があったとして、同じ数字を10回足す方がよいのか、それともいろんなタイプの計算を
10こ組み合わせた問題をやる方がよいのか、、、、。
オリジナル教材というのは、既存の教材でできない学習・練習をするのにはよいが、既存の教材より優れていると言うわけではない。
だからオリジナル教材を使っている塾だからといって
良い塾だというわけじゃないってことだ。